今日の気づきは「DXには多くの企業を見分ける目が必要!」です。
今日は以下の記事からの気づきです。
ライオン、歯磨き粉自動調合 香料500種でプロの技代替:日本経済新聞
本記事を要約すると、ライオンは歯磨き粉の商品企画、調合と試作、製造工程課題予測の3つの業務をDXする試験運用を開始した、と報じています。
本記事ではライオンのDXが以下3つ紹介されていました。
①商品企画
今まで「フレーバリスト」と呼ばれる10名の熟練技術者が、ペルソナと商品コンセプトに合わせた風味を500種類以上の香料から作っていました。
しかしこれをAIで代替し、香料選びにかかる時間が半減したそうです。
感性分野に強みを持つAIスタートアップのLIGHTz(ライツ、茨城県つくば市)の技術を活用したそうです。
②調合と試作
香料原料は1mg単位の差が風味に影響し、今まで調整時間がかかっていました。
しかしその作業を自動調合ロボットで代替し、先述の香料提案AIと組み合わせることで最大20%も時間削減できる計画だそうです。
自動調合ロボットは食品機械のヤナギヤ(山口県宇部市)と共同開発したそうです。
③製造工程で生じる課題予測
歯磨き粉は香料以外の配合によってパッケージに充填するための流動性などが変化するため、製造計画段階から原料再検討に戻るなど余計な時間がかかります。
しかし、AIで製造工程で生じる課題を事前予測することで、製造計画の作成時間を最大で4割削減できるとのことです。
材料開発を効率化する日立製作所の「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」技術を活用したそうです。
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本記事を読んで、以下2つのことに気づきました。
①DXで削減できる仕事は幅広い
今回紹介されていた3つの仕事は全く異なる能力が必要となる仕事です。
香料選びは創造力が必要ですし、淡々と香料を測り取る単純作業は手先の器用さ、課題の予測は経験が必要と言えます。
これら全てがDXの対象となるので、DXで削減できる仕事は幅広いと改めて気づきました。
多くの企業が、「DXで削減した時間は、商品開発やマーケティングなど創造性の高い仕事に使う」と述べていますが、もはやその創造性の高い仕事ですら、人間よりAIの方が効率的という時代になっています。
コーディングもAIが40%行える時代に入り(2022年8月5日の気づき)、今後、システム設計、要件定義、とだんだんと上流工程もAIの方が効率的になる時代が来るでしょう。
本当に人間がやるべき仕事は何だろうと日々考えさせられます。
②DXには多くの企業を見分ける目が必要
今回の3つのDXは、スタートアップのライツ、中小企業のヤナギヤ、大企業の日立製作所と、実に大小様々な企業から技術提供を受けて実現しているなと気づきました。
日本の技術者はまだまだ不足しており、約7割がSIerのような技術受託企業勤務(米国では約3.5割)と言われています。
出典:「平成30年版 情報通信白書 第1章 我が国のICTの現状」 より(総務省)
つまり、事業会社がDXするには、技術は自社開発よりも他社から借りた方が賢明ということで、上手く技術提供先企業を選定する目が必要と気づきました。
恐らく、これは今後数十年間はAIでは代替できず、人間がやるべき仕事の一つと言えるでしょう。
私も来月からDXコンサルタントになるので、どんな企業を選定すべきかという目を養い、クライアントに提案できるようになりたいと思います。
以上、今日の気づきは「DXには多くの企業を見分ける目が必要!」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!