今日の気づきは「スタートアップ起業は段階を踏むべき」です。
今日は以下の書籍からの気づきです。
起業の科学
本書籍を要約すると、GAFA級の成功は奇跡的だが、スタートアップがアイデア検証からスケール(事業拡大)するまでを20ステップとして定義した本書の基本的な型を身につければ「失敗しないスタートアップ」は高確率で実現できると書かれています。
スタートアップが避けるべきアイデア
スタートアップの避けるべきアイデアは以下の5つあります。
①誰が見ても良いアイデア
なぜなら、誰が見ても良いアイデアは他の企業も検討しており、市場が競合で混み合えば、リソースの大きい大企業に負けるからです。
②ニッチすぎる
いくらクレージーなアイデアが良いと言っても、将来的な成長の見込める市場でないとスケールできず事業として成り立たないからです。
③自分が欲しいものではなく、作れるものを作る
2015年に登場した「SEMG Pod」という筋肉の動きを検知できるウェアラブルデバイスは、課題から生まれたのではなく、技術的に作れたから作っただけで、売れなかったからです。
④根拠のない想像上の課題
実際に「こんなものならニーズがあるだろう」という思い付きで作った例として、自動車レースゲームのハンドルにタブレット端末をはめて使う「KOLOS」があり、創業者がタブレット端末を持っておらず、検証が不十分だったため、失敗に終わったそうです。
⑤分析から生まれた模倣アイデア
2011年に日本にクーポン提供サービスのグルーポンが上陸した時、その模倣サービスの半数は、市場の隙間を分析して狙っただけで、創業者の熱い思いやストーリーが欠けていたため、失敗に終わりました。
スタートアップの10のフレームワーク
スタートアップのビジネスのアイデアのフレームワークを10個紹介されていました。
①中間プロセスの排除
例えばUberなら、ドライバー側は中間マージンが無くなったことで時給が上昇し、強盗被害も無くなったことで労働環境も改善し、他方でユーザー側は(フィードバックで5点中4.6点以下のドライバーが仕事ができないルールによって)、綺麗な車でフレンドリーなドライバーが呼べばすぐに来てくれるという顧客体験向上に繋がりました。
②1つに機能集約されすぎている(バンドル)サービスをバラバラにする(アンバンドル)
例えば従来の新聞をアンバンドルして最適化したものが、クラシファイド(テーマ別)広告なら「Craigslist」、商品広告なら「Google Adwords」、記事コンテンツなら「Gunosy」「SmartNews」となり、ユーザーは興味の低いコンテンツ、印刷代や流通コストを負担せずに済むようになりました。
③バラバラな情報の集約
例えば様々なECサイトの価格を一括比較できる「価格.com」、飲食店情報と評価を集約化した「食べログ」などがあり、ユーザーは時間短縮、情報を取りこぼしていないかの不安払拭に繋がりました。
④休眠資産の活用
例えばUberは自分が移動する際の空いた座席を、Airbnbは未活用の部屋を、キャッシュマシンに変えられます。
⑤戦略的自由度
例えば「Snapchat」はメッセージを開いたらすぐに消去されるメッセージアプリで、既存のメッセージアプリに飽きていた米国ティーンエイジャーに「メッセージを開けた時の新鮮な驚き」を与え、「時間が経つと消えるのでもっと自由にコミュニケーションできる」という顧客の気づいておらず、言語化できていない価値提案を見つけ、2017年に上場を果たしました。
⑥新しいコンビネーション
例えば「エアークローゼット」は月額6,800円でスタイリストのオススメ服が自宅に届き、洗濯せずに返却できるサービスで、4つのサービス(スタイリスト、シッピング、クリーニング、クローゼット)を組み合わせたと言えます。
⑦タイムマシン
例えばインドネシアのライドシェアサービス「GO-JEK」は、Uberを現地文化に合わせてバイクにし、支払方法をプリペイド中心にしたものですが、ユニコーンクラブ入りしています。
⑧アービトラージ
例えば「レアジョブ」は、英語を話せる人の多いフィリピンと英語教師の不足している日本をマッチングするアイデアで、月額6,380円で1日25分の英会話レッスンを毎日受けられる(1回206円)素晴らしいサービスです。
⑨ローエンド型破壊
例えば「ケアプロ」は、必要最低限の9項目に絞った健康診断で、たった500円、数分で受けることができるアイデアで、「ティファール」も既存のポットの保温機能をそぎ落とし安価にしたアイデアです。
⑩As a service化する
例えば米Clarifai社がオンラインサービスで提供するディープラーニング機能を使えば、画像認識を活用したい企業は機械学習のエンジニアやデータ用のサーバーを自前で準備する必要が無くなりますし、「hachidori」は月額980円でチャットボットを使うことができます。
最後に
今回まとめた内容は20のステップのうちの1つ目「アイデアに気づく」、3つ目「アイデアの検証」から抜粋した私のメモであり、本書の一部に過ぎません。
本書は網羅的かつ体系的に盛りだくさんの役立つ情報が整理されており、スタートアップ起業を考えている方にとっては必読書と言える書籍でしたので、一読されることを強くオススメします。
また本書は、シリコンバレーで1社、日本で4社もスタートアップ起業した著者ならではの視点でのコラムも充実しており、独自性も高い内容で、価格以上の価値だと感じました。
本書を通して気づいたことは「熱い思いを持つことも必要ですが、決して焦らずにユーザーの潜在ニーズを言語化すること、チーム内でその思いを共有することを優先すべき」ということです。
本書のおかげで、スタートアップ起業のイメージが湧きました。
独自性 | ★★★★★ |
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有用性 | ★★★★★ |
分かりやすさ | ★★★★★ |
総合 | 95 / 100 |
以上、今日の気づきは「スタートアップ起業は段階を踏むべき」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!