今日の気づきは「AIを使わない作戦が成功!」です。
今日は以下の記事からの気づきです。
コニカミノルタ、脳科学で「刺さる」デザイン 消費刺激:日本経済新聞
本記事を要約すると、コニカミノルタが人の感性をデジタルで再現し、「刺さる」デザインを判断できる技術を開発した、と報じています。
目次
●人の感性の再現の仕組み
●従来機能との違い
●最後に
人の感性の再現の仕組み
今回開発した技術の主な機能は以下の2つあります。
①注目性分析
「このチラシだったらまずどこに目が行くか」「どの文字に何秒間注目するか」をヒートマップや数値で可視化する機能です。
(図はコニカミノルタのwebページより、以降の画像も全て同じ)
仕組みとしては、デザインの色、輝度、形状の3つを、脳の機能を再現したアルゴリズムで判別するそうです。
技術開発本部先進コア技術センターの浦谷勝一氏は「人は物体を見たときに、色、輝度、形状の3つに反応して認識している。これを画像解析と組み合わせることで、人が抱く印象を科学的に説明できるようになる」と話しています。
②印象分析
2つ目の機能は「見る人が抱く印象」を「洗練されている」「エレガント」「たくましい」など150種類から可視化する機能です。
仕組みは、画像の配色から、日本カラーデザイン研究所が持つ印象データベースを基に定量化するそうです。
また、与えたい印象に最適な配色やデザインなども提案することもできます。
従来機能との違い
従来もAIでデザインを評価する解析サービスはありましたが、本機能はAIを使わないことによって、以下2つのメリットがあります。
①大量の教師データが準備不要
AIの場合、チラシやボトルのパッケージなど、分析したい対象ごとに手本となる教師データを大量に準備するのは非常にコストがかかります。
コニカミノルタの新システムは人の認知過程を基にしたアプローチなので、過去のデータがなくてもあらゆる製品に応用が利くのが強みです。
②アプローチがブラックボックス化されない
AIのデメリットとして、なぜ結果がそうなったのか明確な説明ができません。
コニカミノルタの新システムは脳科学に基づくアプローチなので、説得力のあるアドバイスができます。
最後に
AIは大量の教師データを必要とするため、今回の広告やパッケージ、商品陳列という分野においては、自社と同業に絞った広告事例を数千、数万と集めるのはほぼ不可能に近く、今回のAIを使わないアプローチは非常に良いアプローチだと気づきました。
またAIは結果を導出する過程がブラックボックスなので、今回のように、顧客の思考を想像しなければならないマーケティングという分野では不向きであることも、納得でした。
前職で私はAIの画像処理に携わっていましたが、その時もAIの向いていない事例がたくさんあることは身に染みて感じていましたし、その経験は今後、AI活用有無を判断する際に生きる経験だったんだなと改めて気づかされました。
以上、今日の気づきは「AIを使わない作戦が成功!」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!