今日の気づきは「木造高層建築の時代到来!」です。
今日は以下の記事からの気づきです。
脱炭素に木造の高層ビル 大林組や竹中工務店が建設:日本経済新聞
本記事を要約すると、大林組は横浜市内で高さ44メートル、地上11階建ての日本初の準木造高層ビル「Port Plus」を建設した、と報じています。
(画像は大林組のHPより引用)
木造建築ならではの3つの利点
「Port Plus」に限らず、木造建築ならではの利点が以下の3つあります。
①CO2排出削減効果
まず1つ目に、CO2排出削減効果です。木材利用により鉄骨造と比べて約40%のCO2削減効果があり、光合成での固定効果を考慮すれば、4分の1まで抑制できる、とも試算されているそうです。
(画像はウッド・チェンジ協議会 ⾼層ビルグループの公開資料より引用)
②環境配慮施工
次に、環境配慮施工です。コンクリート打設時の粉じんと騒音を抑制した環境に配慮した施工を実現しました。
③工期短縮
最後に、工期短縮です。構造が軽量となることで、基礎⼯事が簡素化され、施工期間は鉄骨造の1フロア当たり10日程度から7日まで短縮に成功したそうです。
「Port Plus」の2つの特長
「Port Plus」の特長は以下の2つあるそうです。
①耐火性と耐震性
「Port Plus」ならではの利点として、鉄骨造に匹敵する耐火性と耐震性を達成したと書かれています。
まず耐火性は、3時間の耐火を実現した構造材「オメガウッド(耐火)」を大林組が開発し、採用しています。
(画像は大林組のHPより引用)
そして鉄骨造や鉄筋コンクリート造と変わらない強度・剛性を確保する接合法「十字形の剛接合仕口ユニット」も開発し、採用しています。
(画像は大林組のHPより引用)
これらの建築技術により、「Port Plus」は木造建築長年の課題である耐火性と耐震性をクリアしています。
②バイオフィリックデザインの安らぐ空間
近年、バイオフィリックデザインと呼ばれる、人間の「本能的に自然と結びつきたい欲求」を満たす建築デザインが話題となっています。
「Port Plus」では、このバイオフィリックデザインを用いることにより、五感を刺激し、心身のリラックスや、幸福感や生産性、創造性を向上させる空間を演出しています。
(画像は大林組のHPより引用)
さらに、ZEB Ready認証、CASBEE横浜Sランク、FSC®プロジェクト認証(FSC-P001889)を取得したそうです。
今後の木造高層建築の課題
コストが課題だそうです。
木造・木質化建築プロジェクトチームの中村光利氏はコストについて「同じ規模の鉄骨造りと比べて3~4割は高くなった」と明かします。
農林水産省の木材統計によれば、21年の時点でLVL(単板積層材)の国内工場は15カ所、CLT(直交集成板)工場は11カ所で、増加する注文に供給が追いついてませんが、今後は量産化によってコスト低減が期待されます。
最後に
木材の加工・接合技術が向上し、脱炭素の流れによる需要の後押しもあって木材高層建築が普及し始めていたことに驚きました。
ケイリー・クーパー博士らの研究では、オフィスに植物がない職場が世界中の58%を占めており、植物や自然光により、幸福度が15%、創造性も15%向上すると分かっています。
バイオフィリックデザインは今後広まっていくのではないでしょうか。
「Port Plus」の場所は公開されており、私も1時間で行ける場所なので、機会があったら少し見に行けたらな、と思います。
以上、今日の気づきは「木造高層建築の時代到来」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!