今日の気づきは「DXが簡単ではない理由は3つある」です。
今日は以下の記事からの気づきです。
「保険会社やめようと思う」 SOMPO、DXへ疾走:日本経済新聞
本記事を要約すると、DXに取り組む、SOMPOホールディングス、パナソニックHD、カインズでいずれもDX浸透に苦戦している、と報じています。
各社のDXの状況
今回取り上げられていた3社のDXの状況は以下のようになります。
①SOMPOホールディングス
DXの動機 | 主力の自動車保険が自動運転普及などで先細りなため |
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DXの状況 | 16年から約50人で「スプリントチーム」を立ち上げ、ワクチン接種証明アプリなど70のサービスを展開。だが、同業の独アリアンツや中国平安保険はさらに先を行く |
②パナソニックHD
DXの動機 | 部門の縦割り意識が強く他社との合併もあり、社内には1200以上ものシステムが複雑化していたため |
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DXの状況 | 21年、アクサ生命保険でDXを進めた手腕を持つ玉置肇をグループ最高情報責任者(CIO)に呼ぶも、DXの基礎であるデータ連携すらできない状況 |
③カインズ
DXの動機 | ネット通販は取扱い商品が少なく赤字続きでデジタル事業の現場の熱も下がっていたため |
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DXの状況 | 19年、社長とデジタル責任者に外部出身者を起用する荒療治に出る。またエンジニアを集めるため新会社を設立して新たな人事・給与体系を導入。20年に東京・表参道に事務所も設け、4年かかってネット通販は22年4月から単月ベースで黒字化した。 |
DX阻害要因
以下の3つあると考えられます。
①既得権益を守りたいから
DXを進めれば余剰な人員や競争力のない事業、遅れたシステムがあぶり出されることになります。
しかしながら、リストラ対象者が既得権益を守ろうとするため、一向に進まないと述べられています。
②全体最適を見ていないから
とあるDX支援コンサルタントは、派閥争いと会議だらけで、社内調整に時間がかかると述べています。
担当部門が部分最適に安住しており、全体最適に基づく解を示す経営者の力が必要だと語ります。
③DX理解不足
「ドリーム・アーツの調査」によると、中間管理職以上1000人のうち、73%が「DXとデジタル化の違いを説明できない」と回答したとのことです。
DXへの理解不足、すなわち必要性や危機感を十分理解できていないため、予算を取って早急に取り組む動きも鈍いと考えられます。
私個人的には、①と②はDXに取り組んだ後の阻害要因であるのに対し、③は取り組む以前の阻害要因と感じ、日本の競争力向上のためには、③の解決がまずは急がれるべきだと感じました。
最後に
デジタル化は業務の効率化を目指すものに対し、DXは変革を目指すものです。
そのことを日本の中間管理職以上の73%が理解しておらずDXへの着手が遅れ、さらに着手後も部分最適にこだわる現場や、既得権益を守るリストラ対象者で、DXが阻まれている、という事実に危機感を強く感じました。
以上、今日の気づきは「DXが簡単ではない理由は3つある」でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!